本とぽんず

ビジネス書籍の書評などをあれこれ綴るブログ

書評『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』

僕の死に方 エンディングダイアリー500日

僕の死に方 エンディングダイアリー500日

昨年41歳で亡くなられた流通ジャーナリストの金子哲雄さんの遺作。

流通ジャーナリストになるまでのことや人気になるまでのストーリー、闘病生活のことが書かれています。

闘病生活の部分を読んで、これを書いた方が、もうこの世にいないというのも、リアリティがあって怖いなと思う部分もありますが、内容としては、かなり良い本です。

なるほどと思ったところは、どうやってジャーナリストという商売が成り立っていくのかという点。金子さんの事例は次の通り。

・大学を卒業し、将来独立した時に顧客を持つために石油会社に入社する。

・ガソリンスタンドのオーナーはその土地の名士である事が多い。入社して関西のガソリンスタンドを担当する。

・やり手のオーナーに会い、いかに喜んでもらうかを考えた末に、そのオーナーのお孫さんが受験という事で勉強を見てあげる。

・そのお孫さんが受験に合格し、オーナーから感謝される。そのオーナーは、経営者仲間に「金子に世話になった」と言い回ってくれる。

・石油会社を1年で退職。独立するもすぐには仕事なし。

・そのガソリンスタンドのオーナーから、講演会の依頼が来る。

・中小企業の経営者に共通するのは「1円でも安く」。そこで、いかに節約するか、コストをかけずに集客するかといった話をすると大盛況。

・講演に来た方から、さらに講演の依頼を受け、講演が営業となって仕事が入ってくる。

世の中のコンサルタントはどうやって仕事を取っているのかと思っていましたが、こういう仕組みなんですね。

「最初のきっかけ」×「良いコンテンツ」×「クチコミ」

ビジネスにおいて大事なことが学べます。