書評『佐藤可士和さん、仕事って楽しいですか?』
- 作者: 佐藤可士和
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2012/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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130ページほどなのですぐに読めます。
アートディレクターの佐藤可士和さんへのインタビューです。
この本、雑誌の連載を本にまとめたものです。
最近、この雑誌の記事を本にしたものを手に取ることが多いのですが、偶然でしょうか?
本の内容と関係ない話になってしまいますが、雑誌の記事を編集しなおして本にする事の意味について考えていました。
雑誌と違って、本にするとテーマが1本通るので、著者の考え方がより鮮明になるのですよね。これは本というまとめて、読むメディアの一つの特徴であり、本にしかない強みだなと思いました。
雑誌だと、そのインタビューを読んで、そのまますぐに記憶から抜け落ちてしまうのですが、本だとその読んでいる中で、一つや二つひっかかる部分がある。本というものを見直すヒントかもしれません。
さて、本の内容ですが、学生さんへ向けた内容が多いです。どのアドバイスも納得です。サプライズはないです。
一番なるほどと思ったのは、佐藤可士和さんが、インターンの面接をする時に几帳面かどうかを質問し、几帳面だと堂々と言える人を採用基準にしていること。
いわく、クリエイティブの世界は、0.1ミリの配置の違いや、数%の色味の差の検証だとのこと。相当の几帳面でなければ続かないと。
まさに職人の世界なんだなと思いました。几帳面というと、融通がきかない、神経質といった負のイメージがありますが、なるほど、そういう日本人的なキチッとした感性は大事なのですね。