書評『若者を殺すのは誰か?』
- 作者: 城繁幸
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2012/11/01
- メディア: 新書
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世代間格差について取り上げた本です。きっとみんなが思っているであろう本音をズバズバと言って、政治家や日本の終身雇用制度を徹底的に批判しています。
改めて書かれるとショックです。
会社員が加入する厚生年金は、70歳と30歳で約5000万円ほどの差額が生じている。にもかかわらず、政府は将来70歳に支給開始年齢を引き上げるなんて事を言っている。
また、年金だけでなく、医療介護も含めた社会保障に日本の財源も加えた「生涯を通じた純受益額」にも格差が生まれている。60歳以上の世代が受け取る生涯の純受益額は4800万円以上のプラスだが、30代の純受益額は約1200万円のマイナスである。
つまり、年金は払い損。老人たちのためにお金を吸い取られていく構図です。
でも、有権者のマジョリティは老人たちなので、政治家は年金カットなどの施策はやらない。あげく、定年制を実質的に65歳まで引き上げ、新卒採用枠が減らされて、若者の職が奪われるという始末。
読めば読むほど、この国は終わっていると思います。
政治批判の部分も多いのですが、雑誌SPAで連載していたものをまとめたものなので、自民党政権になる前の情報になっており、古い部分もありますが、十分読めます。
でも、これ読んでも若者は立ち上がらないだろうな・・・。
最近の若者は、優秀な学生とおいおいって学生に二極化している気がします。
今日会った学生は、大学院在学中で、今就活が始まったばかりと言っていましたが、働きたくないので、就活したくないと。でも、やりたい事もないと。
まあ、世の中何が正解かなんてわかりませんから、新卒採用だけが生きる道ではないですが・・・。