本とぽんず

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書評『ヤル気の科学』

ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣

ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣

 

『その戦略は数学が決める』の著者イアン・エアーズ教授の本です。

結論から言うと、期待ハズレです。

 

原題は「Carrots and Sticks」。にんじんと棒。

日本で言うところの「アメとムチ」です。

 

人は短期的な誘惑に弱く、その意志を貫くことが難しい。

ダイエット、禁煙、禁酒、勉強など、なかなか成果をあげるのが大変。

 

そのあたりの事を行動経済学で解説し、事例をあげながら、ではどうすれば成果をあげられるかについて書いています。

 

その方法がムチを与えよというもの。

人は利益の2倍損失に対して痛みを感じる。

これは、ダニエル・カーネマンが実証したことですが、つまり、インセンティブを与えるにおいては、アメよりもムチ、つまり罰を与える方が効果的であるとしています。

 

それを本書では「コミットメント契約」と呼び、ダイエットなどに失敗したら、罰金を支払ったりする仕組みを構築せよと述べています。

 

なんと、このコミットメント契約を構築するためのインターネット・サービスを教授自身が作ってしまったと書いております。

 

それがこれstickKというサイト

http://www.stickk.com/

 

自らに罰則を課して、目標を遵守するためのサイトなのですが、これ結構流行っているらしいです。2009年8月時点で登録者数4万人だとか。それから3年経っているので、今はどれぐらい増えているのか。

 

自らの制約を課すことで目標を達成する。

ストイックなサービスですね。

 

『HUNTER×HUNTER』に登場するクラピカの念能力を思い出しました。

律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)!

幻影旅団以外に能力を使うと、心臓に打ち込んだ鎖がそれを握り潰すという制約と引き換えに、強大な力を得るという能力。

 

いや、すみません、アニメの話で・・・。

 

要するに意志の力を強化するには、罰則を設けること。

本書は300ページにわたって、その事をいろいろ書いています。

 

以上です。