書評『ヤル気の科学』
![ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣 ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DMJg9vvnL._SL160_.jpg)
- 作者: イアンエアーズ,Ian Ayres,山形浩生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10/25
- メディア: 単行本
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『その戦略は数学が決める』の著者イアン・エアーズ教授の本です。
結論から言うと、期待ハズレです。
原題は「Carrots and Sticks」。にんじんと棒。
日本で言うところの「アメとムチ」です。
人は短期的な誘惑に弱く、その意志を貫くことが難しい。
ダイエット、禁煙、禁酒、勉強など、なかなか成果をあげるのが大変。
そのあたりの事を行動経済学で解説し、事例をあげながら、ではどうすれば成果をあげられるかについて書いています。
その方法がムチを与えよというもの。
人は利益の2倍損失に対して痛みを感じる。
これは、ダニエル・カーネマンが実証したことですが、つまり、インセンティブを与えるにおいては、アメよりもムチ、つまり罰を与える方が効果的であるとしています。
それを本書では「コミットメント契約」と呼び、ダイエットなどに失敗したら、罰金を支払ったりする仕組みを構築せよと述べています。
なんと、このコミットメント契約を構築するためのインターネット・サービスを教授自身が作ってしまったと書いております。
それがこれstickKというサイト
自らに罰則を課して、目標を遵守するためのサイトなのですが、これ結構流行っているらしいです。2009年8月時点で登録者数4万人だとか。それから3年経っているので、今はどれぐらい増えているのか。
自らの制約を課すことで目標を達成する。
ストイックなサービスですね。
『HUNTER×HUNTER』に登場するクラピカの念能力を思い出しました。
律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)!
幻影旅団以外に能力を使うと、心臓に打ち込んだ鎖がそれを握り潰すという制約と引き換えに、強大な力を得るという能力。
いや、すみません、アニメの話で・・・。
要するに意志の力を強化するには、罰則を設けること。
本書は300ページにわたって、その事をいろいろ書いています。
以上です。