ほねぬき
ブログのデータを移行しています。
それにあたって古い記事を読み、コピペし、削除する。
ものすごくアナログな作業を1件1件こなしてます。
過去の記事を読んでいて、結構バッサリと本を叩き切っているものもある。
正直つまらんと。
ここであえて、わざわざぶった切る必要はあるのか。
そんなことを考えながら、手直しをしたり、批判的な記事は移行しなかったり。
そうして、どんどん骨抜き状態になっていく。
つまらんものは、つまらんと言うべきか。
あえて、そうした本は取り上げなければいいのか。
それが問題だ。
書評『なぜ犬神家の相続税は2割増しなのか』
![なぜ犬神家の相続税は2割増しなのか: 節税のルール100 なぜ犬神家の相続税は2割増しなのか: 節税のルール100](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51%2BO5B9lolL._SL160_.jpg)
- 作者: 小澤善哉
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: 単行本
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年収500万円の独身者は、社会保険料を含めた税金を年間約127万円支払っている。
これは所得の25%にあたる。
つまり、3ヶ月は税金のために働いている。
改めて指摘されると、税金の負担って重いですよね。
しかも、今後消費税や社会保険料は上がる一方でしょう。
確かに少しでも税金を少なくしたい気持ちもわかります。
この本では、個人が節税するために使える手段がまとめられています。相続税、贈与税、住宅ローン減税、所得控除。
一通り読んだのですが、結局のところ使える節税手段は、数あれど使えるものは少ないなというのが印象です。
家を買う、親から資産を受け継ぐなどのステータスの人には、いくらか節税の手段は残されているようですが、普通にサラリーマンをやっている独身者が使える手段はほとんどない。あるとしても、他にお金を遣うことが前提になっている。
それにしても、この本のタイトル。
やはり若者をターゲットにしているのでしょうか。
その割には、節税を有効活用できる層が30、40代のファミリー層で、この釣りタイトルのターゲットと合っていない気がするのですが・・・。
犬神家の相続人は、実子ではない。だから、法律上は相続税が2割加算される。
ただ、それだけなのですが、それほどにこうした税金テーマのカタい本は売りにくいんでしょうね。
家を買うことを検討している人、親の資産が6000万円以上ある人、嫁がパートで働くかどうか検討している人、こうした人は一読しておいて損はないです。
書評『脱東大式』
![脱東大式―3D思考とHARZZ法 脱東大式―3D思考とHARZZ法](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41H8ZOV4-jL._SL160_.jpg)
- 作者: 諒純也
- 出版社/メーカー: ビジネス教育出版社
- 発売日: 2012/12
- メディア: 単行本
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久しぶりに思いっきりハズした本です。
この本の主張は、「東大式」は答えがある問題に対しては、非常に有効な手法だが、答えのない現在のビジネスでは、役に立たないというもの。変化の激しい時代、昔のように欧米という成功モデルをゴールとして単一の解を求めるやり方はできないと。
そこで、登場するのが『3D思考』と『HARZZ法』という、著者が勝手に命名した考え方。
3D思考=自分、競合、環境の3つの視点から客観的に分析して時代の変化を読め
HARZZ法=H:広く、A:浅く、R:論理的に、Z:ずるく、Z:図太く、考えよ
これまた、その考え方の説明が浅い、明快でない。結局、どうやって使うの?といった感じです。
著者は大手材料メーカーで営業部長をやっている方らしいのですが。
東大卒らしいのですが。
もう少し、論理的な書籍にしてもらないだろうかと思ったのでした。
脱東大式の方が、東大式よりも劣化してるんじゃないかと思われるのでした。
書評『統計学が最強の学問である』
![統計学が最強の学問である 統計学が最強の学問である](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41-4aLbrvpL._SL160_.jpg)
- 作者: 西内啓
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『世界の経営学者はいま何を考えているのか』と似た感じで期待して読んだのですが、期待ハズレでした。
面白い本と、今ひとつの本の違いとは何なんでしょう?
思うに面白いと思う本には2つの要素があると思います。
①新規性×意外性=へぇー
②共感=そうだよねー
読んだ本の中で、いかに「確かに!」と「へぇー」と読者を唸らせるかがポイントだと思うのです。
前述の『世界の経営学者はいま何を考えているのか』は、1冊の本の中に「へぇー」が詰め込まれていました。だから面白かった。
一方の『統計学が最強の学問である』はどうか?
読み終わった感想は「で?」でした。
それがどうしたの?
この「へぇー」と「で?」の違いって何なのでしょうか。
そもそも本社のタイトルにある『統計学が最強の学問である』ですが、統計学が「最強の学問」となったのはその汎用性の高さ、すなわち政治、教育、経営、スポーツでも、最速で最善の答えを導けるところにある、との事です。
なるほど。で?
何かが欠けているのです。そう、身近な事例がないのです。だから共感しない。
これって本では大事な事だなと改めて思いました。
統計学なんて分野に興味を持つ人は、限られていると思うのです。それでも一般の読者を惹き付けるには、身近な共感を呼ぶ事例が必要だと思うのです。
同じ統計学を扱った本で言えば、『ヤバい統計学』はかなり良かったです。それは、わかりやすく、なるほどと思える事例で構成されていたからです。
『統計学が最強の学問である』を読んでいても、教科書みたいです。
何かが足りないんですよね。残念です。
書評『結果を出すリーダーはみな非情である』
![結果を出すリーダーはみな非情である 結果を出すリーダーはみな非情である](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41m8gJjJRUL._SL160_.jpg)
- 作者: 冨山和彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/10/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 38回
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経営共創基盤の冨山さんの本です。
今ひとつ、文章が読みにくいといいますか、内容がクドいと言いますか、すっきりしませんでした。課長クラスのミドルリーダーは、かくあるべし的なリーダーに求められることを書いているのですが、あまり響かず。
・情緒に流されれないよう、論理的思考の訓練をせよ。
・リアリズムと合理性を、とことんまで突き詰めて考えよ。
・常に合理的思考をするために、一人でも食っていけるという心の余裕を持て。
・コミュニケーションは、根気強く、組織の空気を少しずつ変えていくこと。
といった事がダラダラと書かれています。冨山さんの本は、いつも良いのですが、これはライターさんが違うとかあるのかな。
『挫折力』の方が数倍良かったです。ちょっと残念。
書評『AKB48の戦略!』
![AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集) AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51yuFkOl-QL._SL160_.jpg)
- 作者: 秋元康,田原総一朗
- 出版社/メーカー: アスコム
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: 新書
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AKB48がどのようにして始まったのか、ヒットさせるためには何が大切かといった事が書かれており、結構面白いです。
以前、『秋元康の仕事学』という本を読み、なるほどなと思いましたが、今回もなるほどな、と思うところが多かったです。やっぱりヒットメーカーは凄い。
企画の原点は「根拠のない自信」
この言葉がいいなと思いました。
始め、AKB48劇場をオープンした時、お客さんは7人。それでも、続ければきっと成功すると信じて、何もせずに待った。そこから、すぐにクチコミで劇場は満員になるようになる。
何事もまず、ブレずに周りに流されずにやる。
そうする事で、他と同質化することなく、差別化できるんだなと思いました。
要約はコチラです。
書評『世界へ挑め!』
![世界へ挑め! 世界へ挑め!](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Wn7GRrdHL._SL160_.jpg)
- 作者: 徳重徹
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2013/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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電気バイクベンチャーのテラ・モーターズの代表の書いた本です。
企業物語かと思っていたのですが、自己啓発的な内容が中心でちょっと期待ハズレでした。
たぶんこれを読む人は、ベンチャー関連の人やベンチャーに興味のある人だと思います。そうしたターゲットにとっては、むしろどうやってテラ・モーターズを立ち上げたのか。どうやって福武総一朗さんや出井伸之さんから投資してもらったのかなど、そのあたりのディテールを知りたいのでは?
今から、大企業に入ってもリスクがあるとか、成長するためにはベンチャーに入れとか、失敗は成長機会と捉えろとか、ベンチャー界隈の人には不要でしょう。
昨年は、起業関連の本が多かった。リブセンス、ユーグレナ、MOVIDA、ウィルゲート、リーン・スタートアップなど。
次回は、テラ・モーターズのディテールを書いた本が出るといいな。