書評『微博の衝撃』
- 作者: 李小牧,蔡成平
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2012/11/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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中国版twitter『微博(ウェイボー)』のことがよくわかりました。
なんとユーザーは4億人いるそうです。
中国は人数のケタが違う!
ウェイボーが流行った理由には、中国の言論統制のガス抜きという面があるそうです。
ソーシャルというよりも、むしろメディアとしての利用ニーズが高いとのこと。
中国ではメディアは検閲され、自由な議論もできない。
唯一自由に本音を話せるのがウェイボーであるという。
もちろん、ウェイボーの書き込みに対し、検閲はあり、削除されたりといった事もあるそうですが、リツイート機能でユーザーは対抗するという構図になっている。
とまあ、そんなウェイボーのことを書いているのですが、特に気になったのは、AV女優の蒼井そらがフォロワー1300万人を超えているということ。
中国よくわからん!
どうやら蒼井そらは中国では絶大な人気があるらしい。
中国ではポルノの規制があるため、アダルト業界というものがそもそもないようだ。
しかし、そこは海賊版の出番という訳で、日本のアダルトものが出回っているのだろう。ネットでも動画のコピーが出回っているんだとか。
それにしても1300万人のフォロワーは凄い。
AKB48なんかが霞むぐらいの規模感です。日本でAV女優が圧倒的な人気でフォロワーを集めるって、ある程度まではいけても無理ですよね。
やはり人間というものは、ないものを求めるということでしょうか。
きっと、中国でAVなんて普通にありふれたものだったら、きっと蒼井そらはそれほどの人気を得ることはなかったんだろうと思う。
禁止されるからこそ、それを求めてしまう。
これが人間の性というものなんでしょうか。
ウェイボーとはあまり関係のないところが気になってしまいました。
なお、本書ではそこまで影響力を持ったウェイボーが、中国の民主化を進めることにはならないのかという事について書かれています。
結論から言うと、中国ではまだ民主化の機運というものが、周りから見られるほど高まっていないそうです。歴史的に見て、中国で革命が起こるのは、経済が低迷している時。
これは他のアラブ諸国でもそうだったと思いますが、若者が増えることと、飢えることが暴動のきっかけになっています。
だから、本気で政府を打倒しようという人はほとんどいないのだとか。どちらかというと、ウェイボーで見られるのは、官僚の腐敗だったり、地方政府の改革だったりと、小さなものに限られるとか。
しかし、この先、中国が景気の下降局面に入れば、ウェイボーは恐ろしい武器になるかもしれません。
ちょっと、ウェイボーに興味が出てきました。使ってみようかな。