書評『あたらしい書斎』
- 作者: いしたにまさき
- 出版社/メーカー: インプレスジャパン
- 発売日: 2012/09/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 28回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ブロガーのいしたにまさき氏が、書斎の作り方について書いている本です。「書斎なんて作るスペースはない」と思う人が圧倒的に多いと思うのですが、この本ではたったの1畳でできる書斎を紹介しています。
1畳であっても、書斎としての機能は満たせる。IKEAの家具を使って、具体的なレイアウトの提案を4つしています。なんだか男の城を持つ的な感じで楽しそうです。書斎が欲しくなりました。
この本で興味深かったのは、先人の使った書斎として、次の2つを紹介しているところです。
①一畳敷
明治時代に建てられた1畳の書斎で、松浦武四郎という蝦夷地を探検した探検家が使っていたそうです。わずか1畳でもその空間には、91の異なる木材が使われており、インスピレーションを刺激されるそうです。国際基督教大学の敷地内にあって、文化祭の時期に公開されているとか。
②旧江戸川乱歩邸
江戸川乱歩が書庫として利用していた土蔵が残っているそうです。乱歩が発想の元ネタとしたと思われる、海外の推理小説などが並んでいるとか。こちらは、立教大学の敷地内に保存されており、公開日に見学可能。
http://www.rikkyo.ac.jp/aboutus/profile/facilities/edogawaranpo/
この本でも紹介されているのですが、本棚って持ち主の個性を表現するから面白い。何に興味を持っていて、どういう本から発想を得ているのか。その人の個性や考え方の元になっている。
東大阪にある司馬遼太郎記念館がある。そこには司馬遼太郎さんの蔵書がずらっと本棚に展示されているのですが、作家の頭の中を見ているようで凄さを感じられます。
本では、書斎の作り方とともに、クラウドサービスなどデジタル技術と併用することで、さらに知的活動ができると紹介されています。
普段、忙しくてゆっくり考える時間が取れない人も多いと思います。自分だけの「こもる」空間を作って、本を読んだり、思索したりする贅沢時間を取り戻してみてはいかがでしょうか。