本とぽんず

ビジネス書籍の書評などをあれこれ綴るブログ

書評『サラリーマンは、二度会社を辞める。』

 

大企業で人事部などを経験した50代の著者の考えが如実に表れた本です。

世代間の考えの違いがあるかもなぁと思わせる内容です。

あまりにも現実的な内容なので、ちょっと夢はないですが、面白いのは確かです。

 

サラリーマンには、次の4つのステージがあり、1つのスタンスだけで長い勤め人生を送ることはもはや無理であると説いています。

 

①学生時代からの移行時期の新入社員時代

②初めて部下を持った30代

③働く意味に悩み、家族の重荷も感じる40代

④定年後の生活に思いをはせる50代などである。

 

本書では20代と40代にフォーカスを当てて、次のように主張しています。

 

・20代は10年ぐらい猛烈な会社人間になれ。仕事で自己実現しようなど考えるな。

・40歳になると、会社中心の人生に疑問を持つことになる。第2の人生を考えよ。

 

世の中、スティーブ・ジョブズのように起業家に向いている人などわずか。最近は、なんでも若い内に自己実現せよ、独立せよという風潮があるが、反対である。会社の中に入って、自分の好きな仕事じゃないことを10年続けて、その仕事を好きになれるように頑張れと。

 

どうなんでしょうかね。

個人的には会社員人生を10年以上送ってきましたので、その考え方はわかる気もします。特に何でも最低3年はがむしゃらに頑張れという考え方には賛同します。しかし、若い内にやりたい事見つけて、チャレンジすることはいい事じゃないかなと。

 

まずは会社人間を10年頑張れといったところで、変化の激しい時代、そもそも会社が10年持つのか?

大企業で10年働くよりも、ベンチャーで3年働く方が鍛えられると思うし。40歳までやりたい事を我慢するというのも違う気がする。

 

このあたりが大企業の50代との感覚のズレでしょうか。

もはや大企業でも安泰ではなく、出世するのも難しくなっている時代だからこそ、何でもチャレンジせよというのが正しいのではないだろうか。

 

どちらかというとユニクロの柳井さんのように、とにかく気概を持って頑張れ、海外に出て行けというぐらいの方がしっくりくるかな。

 

結構、書籍って著者のキャリアが色濃く反映されますね。