本とぽんず

ビジネス書籍の書評などをあれこれ綴るブログ

書評『丁寧を武器にする』

丁寧を武器にする

丁寧を武器にする

 

ロールケーキブームを起こした関西の人気パティシエの仕事術。

看板商品「小山ロール」は、1日1600本売れたらしいです。

 

自己啓発から、人の育て方、ものづくりの哲学まで、幅広い内容が詰まっており、結構良著です。特に考えさせられたのが、これからの時代にどのようにものづくりをすべきかということ。

 

小山氏によれば、今のように何でも「足りている時代」には、人と同じことをしてはいけない。そして、プロとして「これが、あなたの欲しいものではないですか?」と提案していかなければならない、としています。

 

つまり、プロダクトアウトの思考です。リサーチをしても、顧客は欲しがっているものがわからない、だから自分の想いを込めて、ものづくりをして、それを伝えることが大切だと説きます。結果的に、小山氏は、兵庫県の郊外でお店をヒットさせます。

 

一昔前まではプロダクトアウトの考え方は、日本メーカーにありがちな典型的な失敗パターンとされていましたが、何でもニーズが満たされている時代には、むしろプロダクトアウトの考え方が求められる。

 

どうなんでしょうか?

確かにアップルもプロダクトアウトですよね。圧倒的に良いものを作って、ファンを獲得する。これって、一部の天才にだけ許された方法なのか、たまたま出した商品がヒットしただけなのか、普遍的な方法なのか。

 

今の時代、ケーキがおいしいのは当たり前。だからこそ、伝えること、そして日々新しいニュースを作ることが大切だと書いています。他のケーキ屋はシーズンごとにイベントをすることが多いが、小山氏の店では日々ニュースがあると。

 

結果的に運が良かったのか、何度やっても成功する人だったのか。

 

いろいろと考えさせられる本です。